コマンドウィンドウでは、演算子の他に関数を使うことができる。関数とは、面倒な計算や複雑な計算を、簡潔に記述できるように登録された計算の仕組みである。よく y = f (x) といった式で表される。何らかの値を与えると(「引数」という)、登録された規則に従って処理し値を返す(「戻り値」という)。プログラミングにおける変数とは、データに名前を付けて再利用する仕組みのこと。スマートフォンから電話をかけるとき、電話番号ではなく電話をかける相手の名前を電話帳から選ぶイメージと例えるとわかりやすいかもしれない。まずは、簡単な関数を使って、MATLABでの計算方法を確認する。
関数を使う
srqt 平方根を求める
sqrtはsquare rootの意味で、後に( )を続けて中に数字を収める。例えば、√2を求める場合はsqrt(2)と入力してreturn(Enter)キーを押す。
>> sqrt(2) ans = 1.4142
sum 合計を計算する
例えば、1〜99までの自然数を合計するには、sum(1:99)と入力する。「○〜○まで」と範囲を表すときは「:(コロン)」を使う。
>> sum(1:99) ans = 4950
変数を使う
MATLABでは、変数に値を代入して計算させることが多い。左辺に変数名を書き、演算子「=」の右辺にはその変数に代入したい中身を書く。変数名の付け方には、以下のようなルールがある。
- 1文字以上の英数字とアンダーバー使って自由な名前が付けられるが、関数や他の変数と競合しない意味が分かる名前にしたほうがいい。
- 名前の最初には数字は使えず、大文字と小文字は区別される。例えば、Appleとappleは区別され、2nd_placeは変数名として使用できない。
- 式の後に「;(セミコロン)」を付けると、実行しても計算結果がコマンドウィンドウにいちいち表示されない。
試しに、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数BMIを計算してみる。計算式は「BMI = 体重kg ÷ (身長m)2」となる。
% BMI(Body Mass Index)の計算 >> Weight = 78.2; % kg >> Height = 1.735; % m >> Weight / Height ^ 2 BMI = 25.9781
変数に値を代入すると、「ワークスペース」パネルにはその変数が表示される。変数名をダブルクリックすると「変数」パネルが開き、内容を確認することができる。