インストールが無事に済んだところで、動作を確認のためコマンドを打ち込んでMATLABに計算させてみる。+やーのように計算の種類を示す記号を演算子と言い、MATLABの四則演算子は以下のようにまとめられる。他にも計算に使われる記号があり、それらを総称して算術演算子と呼ぶ。
四則演算とべき乗の演算子
- + 足し算(加算)
- ー 引き算(減算)
- * 掛け算(乗算)
- / 割り算(除算)
- ^ べき乗(冪演算)
計算方法は、コマンドウィンドウの>>の後に計算式を入力してreturn(Enter)キーを押すと計算結果が表示される。1+1の場合は以下のようになる。
>> 1+1 ans = 2
例えば、1-1だと答えは「0」、5*2だと「10」、20/5では「4」となる。べき乗は「^」を使い、例えば2^3で「8」となる。
四則演算の計算の順序
MATLABでも、算数と同様に、掛け算や割り算は足し算や引き算よりも先に計算される。計算が続くときの計算順を復習しておこう。具体的なルールは以下のようになる。>>の後に計算式を入力して結果を求めてみよう。
- 同じ演算子が続く式は前から。
5+3+6 = 14、21-7-3 = 11、3*2*4 = 24、36/2/3 = 6 - 加算と減算だけの式は前から。
24+6-5+10 = 35、24-6+5-10 = 13 - 乗算と除算だけの式は前から。
24/6*5/10 = 2、24*6/5*10 = 288 - 乗算と除算は、加算と減算より先。
5+3*6 = 23、24/6*5+10/2 = 25 - ( ) 丸括弧内を先に計算。
24/6*(5+10)/2 = 30 - [ ] 角括弧を使っても計算順は変えられる。
[ 24/6*(5+10)/2 ] * [ 24/6*5/10 ] = 60
括弧の名称
算数では、( )小括弧の中の式を先に計算し、次に{ }中括弧の中の式を先に計算して、最後に[ ]大括弧の中の式を計算する。括弧の入れ子が[{()}]だから大・中・小という名称なのだそう。しかし、プログラミングでは、それら括弧の名称は、( )丸括弧、{ }波括弧、[ ]角括弧と呼び、むしろ、最近は、算数でも大・中・小は使わないらしい。しかし、MATLABのヘルプページでは大・中・小で呼んでいる。
剰余算
割ったときの余りを計算するのを剰余算という。例えば「23/5 = 4余り3」となり、このときの「3」が剰余算の結果になる。C言語やJavaスクリプトなどは剰余算は「23%5」とするが、MATLABでは「%」をコメントアウトに使うため計算の仕方が異なる。
例えば、MATLABでの割り算だと以下のようになり、除算後の余りを求めるときはmod関数を使う。
>> 23/5 ans = 4.6000
mod関数はmod(a , b)のように記述し、aをbで割ったときの余りを返す。もしbが0の場合はaを返す。
% 除算後の剰余 >> mod(23,5) ans = 3
πを使って円周の長さと円の面積を求める
特別な数値(定数)πは円周率を表し、MATLABでは「pi」と入力する。それでは、半径6cmの円の周りの長さと面積を計算しよう。
% 円周の長さを求める公式は「直径×円周率」 >> 6*2*pi ans = 37.6991 %cm % 円の面積を求める公式は「半径×半径×円周率」 >> 6*6*pi ans = 113.0973 %cm2
MATLABでは「pi」を3.1416で計算している。円周率を3.14のように、指定した小数の位で四捨五入して計算したいときはround関数を使う。丸括弧内は(pi,小数の位)と記述する。
% piを小数第2位で四捨五入して円の周りの長さを計算 >> 6*2*round(pi,2) ans = 37.6800 %cm % piを小数第2位で四捨五入して円の面積を計算 >> 6*6*round(pi,2) ans = 113.0400 %cm2