緒論

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十八世紀は十七世紀から輪郭だけ傅達されていた世界形象(ウェルトビルト)を完成した。宇宙は機械的出来事の合則性の中(ゲゼッツメッシツッヒカイト)にも個人的及び社会的生活の秩序の中にも同じように出現する統一的に組織された連関として理解された。全体の調和はその最後の支持をあらゆる有(ザイン)の統一的根拠としての神的存在者(ゲットリッヘス・ウェーゼン)の中に見出した。かくして此の世紀の人間は彼の生活理想を確実な基礎の上に建てた。彼は一定の課題を彼の人生の中に於いて遂行しようとする思想を固く持した。そして彼は確信を以て彼の義務遂行に対する彼岸の中に於ける報酬を信じた。行動に対する指導を理性が与えた。理性によって彼は自己を他の動物より高く感じた。そして同時に、自己が此の一層高い職分に値することを証明する義務を感じた。かくしてこれ等の人達の生活の仕方は、直線的な堅実な印象を与える。人は規則を圧迫と感じなかった。人はそれに服従した、彼自らの性質(ナトウール)に従うという意義は強制の感情を成立させなかったからである。然しながら理性の規定の意識は又更にかかる純粋な実践的な目標定立の外へ導いた。