WASSILY CHAIR(ワシリーチェア)

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ジェネリック家具ってご存知でだろうか。意匠権の期限が切れた有名デザイナーの家具を、正規メーカー以外の企業が復刻生産したものである。イサム・ノグチ、アルネ・ヤコブセン、マルセル・ブロイヤー、柳 宗理など、いろんな作家のものがあり、ジェネリック製品、リプロダクト製品と呼ばれている。

実は今、椅子が欲しくてたまらないのである。背もたれにゆったりと寄りかかれて座り心地のいい椅子が。それで第一候補に上がっているのが、バウハウスのマルセル・ブロイヤーがデザインしたワシリーチェアだ。ソファーもいいが、空間がスッキリとまとまるワシリーチェアに惹かれてしまったのである。ワシリーチェアは、ニューヨーク近代美術館にパーマネントコレクションされている名作なので、正規品は高価だけどリプロダクト製品なら買えそうだから気になって仕方ない。

ワシリーチェアは、Model B3 chairとして1925-26年にデザインされた。当時バウハウスの教官だったワシリー・カンディンスキーのために設計したという説があるが、その完成されたデザインを賞賛したカンディンスキーの宿舎用に複製品を作ったのが実際のところらしい。ワシリーと名がついたのはデザインされてから数十年後、椅子にまつわるエピソードを知ったイタリアの家具メーカーGavina社が販売した時からだ。

ワシリーチェアの正規品は、Gavina社が1968年まで生産し、現在はKnoll社が生産する。Knoll社製のは38万円ぐらいするが、Gavina社製のものはビンテージ品として10万円ぐらいで流通している。リプロダクト品はメーカーによって違い、中国生産品で6〜9万円、イタリア社製で18万円ぐらいする。それ以外にも北欧製とかもあるようだ。

正規品は上質な本革を使っており、スチールパイプも含め高級感は群を抜いていい。Knoll社製よりもGavina社製の方が質は高いという目の肥えた人もいる。何れにせよ正規品には手が出ず、革の品質がいいイタリア製リプロダクト製品も予算オーバーのなので中国生産品から物色しているのだが、座っている時の通気性と耐久性を考えると総本革は譲れない。中国生産といえどイタリア製本革を使っているものもあり、ポニースキンのものもある。パイプはクロムメッキが多いようだが、ステンレス製のもある。

それで現在の購入最有力候補は税込み54,800円で本革製のもの。だか、ル・コルビジェのLC4(シェ-ズロング)にも目移りしており、アルネ・ヤコブセンも検討して最終的に決めようと思う。